Les Frères Moutaux について

レ・フレール・ムトウ 武藤 康司 1969年 大阪生まれ
1989年 ゲベック入社
     パティシエの人見至容に師事
1998年 京都プリンスホテル入社
2000年 レ・フレール・ムトウ岩倉本店開店
2003年 レ・フレール・ムトウ油小路店開店
2008年 岩倉本店移転

主な受賞歴
全国洋菓子コンンテスト優秀賞
西日本洋菓子コンテスト会長賞・優秀賞
大阪府・兵庫県クリスマスケーキコンテスト優秀賞
兵庫県バレンタインコンテスト優秀賞他多数
ムトウのお菓子は、毎日食べてもらいたいとは思いません。ただ、ふと思い出したときに無性に食べたくなる。そんなお菓子をつくりたいのです。 interview #1 2013.3 イチゴはイチゴとして食べるのが一番おいしいと思うけれど。
素材に何かを足していく。
お菓子をつくるという行為は、
つまり素材の味を薄めていくことなのかもしれません。

だけど、素材そのものよりお菓子にした方が
美味しいと思わせることが、ケーキ屋の仕事だと思っています。

良いイチゴが手に入ったとしても、
クリームを混ぜて味が薄まっただけの
イチゴのムースなんて美味しくはない。
だけど、そこにちょっとレモンを入れると
抜群に美味しくなるし、
洋梨のムースなら、ほろ苦いキャラメルを混ぜると
洋梨の風味がとても引き立ってくる。

良い素材を使うだけでは
美味しいお菓子にはならないというのが分かってきました。

例えば、ムトウのイチゴジャムは甘いです。
甘くないというのが美味しいという風潮があるけれど、
甘いから美味しいというのも確かにあるわけです。
わざわざ、そのものを加工するというならば、
元々の素材の側面を目一杯引き出したいのです。

そういう相乗効果みたいなものと
素材の持つ風味の意味を知っていく。
そうしたら、お菓子がひろがりました。

ムトウにある商品でも
季節によって配合が変わったりしますし、
常に新しい材料であったり、新しいつくり方に
敏感になっていないといけません。

伝統のお菓子でも「このつくり方だから美味しい」と
凝り固まっていたら、ただの昔のお菓子として
終わってしまうかもしれません。
見かけは昔のお菓子でも、材料とつくり方は最新のお菓子。
そういうお菓子づくりもしています。

焼き菓子にすることによってその素材はより美味しくなるとか、
クリームを入れることによってより美味しくなるとか、
何がその素材にとって一番いい選択なのかということを
常に考えていく。

それがお菓子づくりということになると思ってます。